[鴨の血は幾分喉を潤した。尤も、その冷たい温度と風味に関しては大いに不満の声が体内から沸き起こるのを知らされた。
温かい とろりとした やわ肌の下を流れる 生命の水
それを欲する肉体の声がさらに大きくなった。
それでも「渇き」は幾分納まり。とりあえず身体の変化を支える程度には役立ったのだろう。落ち着くまでに吸いつくされ、血の気の失せた鴨は3〜4羽だったろうか。
やがて何食わぬ顔で厨房にいるクレステッドとディークの元に戻る]
お待たせしました。
…とりあえず物欲しそうな顔をせずに済む程度には。
[クレステッドの前に椅子を引くと腰を下ろし、ちらりとディークに目を向けてからかうような笑みを向ける]
うん。ディークが美味しそうに見えるから、私を誘惑しないでくれ。