[勘当の話はダーフィトにも少なからずショックを与えた。
それは航行中の睡眠に影響を与える程度のものだったが
その分仕事へ打ち込んでいれば大したことにはならない。
管制室で航行を見守る時間を少しずつ伸ばして
同僚の仕事を変わったりなどしていたら、気付けば
昼夜問わずに管制室で航路を眺めている。
そんな日が幾日も幾日も続いた挙句、
ダーフィトが管制室の主かと紛うような状況を作り出した。
よく眠るためというのも半ば事実であり、詭弁だ。
闇に泳ぐ星々の海を眺めていれば少しは気が紛れるし
自らの今後の境遇について深く考え込まずに済む。
詰まるところ、それだけの理由だった。
船員の中でも特に付き合いの長いカークが
それらの事情まで知っているのかどうかはさておき。
大抵の時間なら医務室を尋ねれば眠れるというのは
ダーフィトからすれば大変助かることであった。]