[エルの感謝の言葉を聞けば、少女は照れくさそうに微笑んだ。]
いいのよ、出られたら、ご一緒させて?
私よりもきっといろいろなことを知っている、あなたのお話も聞きたいわ。……?
[エルの細い指が薔薇の花弁に伸びて、そのまま動きを止めた。少女は不思議そうに彼女を見つめ、その視線を辿ってみると。]
あら、またお客様みたいね。
[調度品の一部のように鎮座する小さな蛇に気付く。少女はのんびりとそんなことを口にした。
この気配、『お父様』のお屋敷にいた頃に何度か感じたことがある気がするけれど、気のせいかしら。]