― 天輪湖 ―
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろ、その力。
引き寄せ、捕らえ、一つに束ねよ。
[紡ぐ術に応じて、結晶体の収まった籠から金糸雀色の光の帯がしゅるりと伸びて蟠る鈍色に絡みつく。
それは結晶体の元へと最後の欠片を呼び寄せようとするが]
む……さすがに、抵抗しますかっ……!
[さすがにというか、一筋縄ではいかないようで。
引き寄せるのと抗うの攻防戦が繰り広げられた。
『虚無』の力に近しく接している事で乱される集中は、先に受け取ったお守りが保たせてくれているものの、これは辛いかも、と思った直後]