【見】 楽天家 ゲルト

[呼び出しに応じて飛び出てきたラヴィの
もふもふをひとしきり堪能する。

人目もないことだし、
このままずっともふっていようかと
よからぬことを考え始めたところで
こちらを見つめるラヴィの視線に気が付く。]

あっ、ごめん。別に迷子ではないのだけど……
いや、迷子とも言えるのかな。

この第四エリアって人少ないよね。
テスターが多くいるエリアまで案内してくれるかな。

[迷子だと口にしてしまったのがまずかったのか、
ラヴィは人が一番集中しているメイン・サロンへと
急いでぴょんぴょんと跳ねていく。

元気に飛び跳ねるウサギの後ろを、
画材を持って必死に走って追いかける様は
傍から見れば少し滑稽な光景かもしれないが、
今はそんなことは気にしていられない。]