[教養と規律、そして軍配に耐えうる体力を身につけた頃。
言い渡されたのは本格的な軍属としての身分だった。
当時のダーフィトはそれを拒むでもなく受け入れたが
結局は冷徹にも冷酷にもなりきれなかった。
ダーフィトが物へ対する態度と人に接する態度はそう変わらない。
古いものは捨て、新しいものと取り替える。
それは己の理念と反するからと上司と対峙して、幾らか。
衝突した回数が両手の指では足りないほどになった頃。
実質的に左遷という扱いで銀色の楕円体へ配属された。
…そして、今に至る。
ダーフィト自身はシルバーメリー号での生活を
そこそこ気に入っているし、満足もしているが
家族や親族の失望は大きかったらしい。
らしい、というのは人伝に耳にしたことだからだ。
失望の話は又聞きでも、ダーフィト・マクワイアが
実父伝手で実家から勘当されたのは事実だった。]