― バルコニー>>288 ―[白絽侯の下で、のたうち回る。今や内と外の快感が一体になって下肢を蕩かし、ただ喘ぎ、嬌声を上げた。声を押し殺すために拳を噛んだ。牙は皮膚を破り、痛みが走る。苦痛は細い糸みたいな正気を繋いでくれたけれど、体の内側に燃え上がる炎を弱めるほどの力はなかった。「我慢しなさい」と言われて、一瞬何のことやら分からなかった。それくらいどこもかしこもおかしくなって切羽詰まっていて、頭が朦朧としていたのだ。何を我慢するのか、分かったのはそのすぐ後。]