……仕事に疲れたというだけの理由だったり、
保険金目当てで、弟を殺そうとするようなお兄さんだったら
あんな風に、心から大切そうに語れるものかしら?
想い出に微笑めるものかしら…。
[“わたし”だって、自分を殺した兄の事を、
今でも愛情と…永遠に消えないだろう痛みと共に語れるのは、
兄が“わたし”を、愛してくれていたことを知っているから。
殺したのが、兄の心や意思からではなく、
脳内の寄生生物のせいだと、分かっているから。
そうでなかったなら……あんな風にローに、
大切だと、話せはしなかっただろう。]