― 魔王城・大広間 ―[宴の賑わいが峠を超え、寝転がるものや暗がりへ消えるものが目立ち始める。ゆるりと寛いでいた魔王は、頃合いとばかりに右手を上げた。] 異界より訪れしものよ。[声は、ひとりひとりの意識へ、直接響きわたる。] 魔に引かれ引き込まれたもの。 連れ戻さんとこの地を踏んだもの。 そなたらの行動は、すべて余の知るところである。