[>>207――……油断を、していた。
覚醒後の衝動に任せてソマーリュを嬲り、
満足し切った自分は、そのまま揺蕩う微睡みの中へ落ちた。
街で買った娼婦のように、勝手に出ていくだろう。
そう、思い込んでいた。
それはソマリの少女のような外見が産んだ幻想であったか……
完全に"ソマーリュ"という獣の本性を、読み違えていた。
――手首への、違和感。
不審に思いながら薄目を開ければ、
普段の姿に戻ったソマーリュが、こちらを見下ろしていた。
瞬間、状況を理解し、覚醒する。
身を攀じれば、締め付けられた革ベルトが ギチリ と鳴った]