[早足に通り抜けながらも、使えるものを頭に入れてゆく。と、ロー・シェンは今ひとりの将官と合流した。モンテリーの王弟。親しいはずもないが、存じ上げてはいる。再会の間隔からすれば、ロー・シェンとよりもっと近くすらあるのだ。彼が浮かべた表情を見て、把握されたと察した。避ける色はみせず、会釈だけしておく。]