─ うどん屋さんへ ─
[出町柳駅から徒歩14分程で、昼食を摂る店に辿り着く。
道中他の子達は気になる男子や、下賀茂神社での縁結びのお参りなんかの話で花が咲いていた。
ここまで長く人の輪の中にいるのは久し振りで、それでも穏やかな表情でその話を耳にする。
せっかくだからと、取り分け仲のいい友人はいなくても雰囲気くらいは楽しもうと思えた。
そんな華やいだ笑い声が耐えないおしゃべりをしながら辿りついた目的地。
外観は落ち着いた雰囲気のカフェの様で、うどんという看板が出ていなければその見目通りの店と信じてしまう佇まい。
店の前に出ている黒板のメニュー表もカフェみたいな書かれ方で、班の子達は更にテンションが上がったみたいだ]
うん、悪くない。
[当の腹減り娘も、この店の落ち着いた雰囲気のある洒落た外観を気に入り小さく頷きをこぼす]
たぬきうどん、美味しいといいね。
[亜梨沙にそう声をかけて、店に入った]