― ある日・海岸 ―
[魔王はこの日、魔軍の軍備に関するひとつの懸念材料解消のために、海を訪れていた。
魔術に明るい配下を伴って、海岸に複雑な魔法陣を描いている。
それは、見るものが見れば「儀式の場」とここを魔術的に繋ぐためのものだとわかるだろう。
背後には数珠つなぎの人間たちがいる。
いずれもこの儀式のための
本来は儀式の間に力を蓄えて魔王の力を解放するための触媒だったが、それを消費してでもやっておかねばならないことがあった。]
準備急げよ。
もうすぐ潮が満ちる。
[声を掛ける魔人自身は、今は木陰で休んでいる]**