……このたびの任務、ご苦労だった。
よく、隻眼の英雄ラムスドルフの手から逃げ延びれたものだ。流石に肝が冷えた。
[洗練された礼に、こちらは軍人としての敬礼で返す]
[ヒンメルの印象は――どうしてもテストの一件と、スイーツカフェの件が大きかった]
そうか。新参もの仲間がいて心強い。
私も、公国に来るのは――ああ、そうか。
もう、15年ぶりになるのだな。
[そう、小さく息をつき]
落ち着いた。大丈夫だ。
では、挨拶に行くとしよう。
[襟元についた、帝国軍の階級証と、技術局の腕章を外し、ポケットに入れた。
1人だけ、帝国軍の軍服を身にまとって、遠慮のない視線に晒されても、小さく首をすくめるだけだった]