[そもそもにしてダーフィト・マクワイアという男が
何故このシルバーメリー号という場所に居るのかといえば
単に、前の職場の上司と反りが合わなかった。
ただそれだけの理由が原因だった。
シルバーメリー号は開発を行った地球系の惑星が主導する
半分を軍部が担い、半分を民間から人を募るという形で
運営を行っている巨大な一つのシステムだ。
ダーフィトがそんな場所に
二等航海士という破格の待遇で押し込まれたのは、
お上がダーフィトの存在を面倒だと思っていたからに他ならない。
ダーフィトがお上を面倒な存在だと認知していたように
お上の側もまた、ダーフィトの扱いに難儀していたのだ。
何故か。
代々軍人の家系であるマクワイア一族において
半ば強制的に軍部への所属を強制されたダーフィトには
規律を遵守するだとか、定められた道に沿って走るだとか
そう言った面倒なことはめっきり性に合わなかったからである。]