……いや、あいつが言い訳した事はなかった、な。[ふと、口元綻ばせると、もう一度彼の名を呼んだ。態々思考を口に出したのは、彼に聞かせるためだ。あの男は、自らに背くを厭う。こうして先回りの種を撒いておくと、きっと彼は足を引っ掛けてくれる。そう言う素直な男だと知っていた。*]