―たこ朗―
[隣に座らざるを得ない状態ではカウンターの方が良かったかも知れないが、肘を常に掴んだ状態で衆人環視に晒されるのは御免だ。
座敷は有り難いが、これはこれで恥ずかしいと気付いたのは四人掛けの机に並んで座ってからのこと。
メニューを一緒に見ていると、毛先がくすぐるのか>>228、喉を震わせ笑いを堪えている姿を見、体を僅かに離す。
が、体温に引き寄せられるようにまた距離は縮まって。]
そういうとこは、って何だよ……。
[ぶつくさ文句を言いつつも、褒めてくれていることは何となく空気から伝わり、反射的に鋭く飛び出した棘も引っ込む。>>229
右手辺りに視線を感じ、どう誤魔化したものかと思案すれば、
あっさりと口から出まかせを告げる大河に勢い良く顔を向ける。
出まかせに笑った店員が去るまで、にこやかな顔を見つめ。]