[弱々しい否定の言葉にアルビンは「嘘付け」と一言でぴしゃりと撥ね除ける>>278。
オットーが自分の嫌みを不服に感じている事にもアルビンは気付いていない。いや、気付いているのだが気にしていないと言う方が正しいだろう。そういう無神経な所は嫌われていたかもしれないが、どうだろう。
親し気に肩に肩に手を回せば自然と距離も近づく。目の前にある好奇心で目を輝かせるオットーの顔にアルビンはこくこくと頷いて、]
ああ、此処らじゃ見かけない香辛料だよ。
それを使ってのスパイシーなパンなんて滅多に食べれない品物になるに違いない。
だろう、試したいよなあ。
[そう、相変わらず調子の良い返事をしながらも、内心こいつは大丈夫だろうかと心配していた。]