― 先の刻/旅路にて ―
せっかく、これまでとは違う在り方をしておるのだから。
楽しまねば、損であろ?
[楽しそう、という言葉>>288に笑って返す。
しゃら、と鳴る耳飾りの音に心地良さげに目を細めた。
眷属の印として与えたそれ──身に着けた者の命が危険に晒されるようであれば、与えた血を介して闇桜の命の一部を与える呪具は、今は番の花である印としての意を強く持つ。
血と魂の共鳴により、命尽きる時は同時。
それは、己が命の父と名付けの母の選んだ路と同じもの……とは、未だ話してはしていないけれど。
遠くなく、寝物語の一つにでも語られる事となるだろう]