[瞳に宿る薄麦の眼球から、雫全てを絞り出す様に泣いていた夜の間。包む様に抱き締めて、掛けてくれていた言葉が意識に反芻していた>>241] ( ……… ……… ………あにぃは……… 俺がこの力を使えば…… どうなるか 知ってしまえば…… それでも俺の我儘を聴こうとするのかな。 それとも…… 止めて くれるのかな 。 )[まるで期待している様な思いが漏れた事に気づいて、見詰めていた兄から瞳を外した。振り向かれたとしても、その視線を正直に見返す事は出来そうになかったから]