―208号室(アルビンの部屋)―[アルビンの部屋近くなれば、身の裡の半分の獣は鳴りを潜め。人間を手に掛けることなど、微かにでも考えてしまった自分に、指先が震えた。シモンの杖つく左足を案じて、そっと歩みを合わせながら動く。廊下の窓、部屋の窓、置かれたままの部屋の鍵と荷物…。ふっと、ある荷物>>>>1:388に視線が止まるが、それは数瞬。シモンと一緒に部屋の中を確認する。サイドテーブルの引き出しの最下段と床の間に隠された、真鍮の指輪>>1:234には、同じく、今は気づけずに]