[二年前のあの日。
子供から少年に変わっても面影はそのままだったから、つい声をかけてしまったものの。
紅が大きく丸く見開いたのを見て、自分が彼の知る自分とかけ離れていることにようやく思い至った。
驚いてるんだろうなとか、戸惑わせてるかとか。
長過ぎる沈黙に正直気まずくなりながらも、こちらから声をかけた以上立ち去る訳にもいかず、言葉を待って。
リロか、と確認されて頷きを返したまでは良かったのだけど。
気まずさに、「見れば解るでしょ」なんて憎まれ口を叩いてしまった。
自分が悪いとは思うけれど、それを態度に示せば素に戻ってしまいそうで素直になれなくて。
以降、何度こんな言い合いを続けたことか]