―談話室→208号室(アルビンの部屋)―
[足への負担を軽減する為だろうか、杖をつき
ゆっくり階段を昇るシモン>>288に、そっと歩速を合わせる。
彼が内心で何を考えているかまでは測れず。
もし、彼が”人狼”か、人狼に与する人間ならば。
人の姿の時でも、獣の姿の時でも。
いざという時、狙うなら左脚だろうか、それとも…
昏い獣の思考が、ふと脳裡を過る。
王家の護り手の銀狼だった母>>2:68から、
人狼だけではなく、暗殺や刺客からも護れるようにと、
獣と人間、両方の狩りや弑し方は教わったけれど。
主な獲物は、村を獣害から護るために狩る、熊で>>2:70
まだ人間を、弑したことはなかった。
守護の契約を捧げる人間以外なら、出来るのは識っていたけれど。
身の裡の半分の人間の心が、どう感じるかまでは、知れず]