[船上でのアレクシスは、存外に爽やかな笑顔を見せていた。話し相手にもゲームの相手にもなると申し出るのを聞いて、昨日のシメオンの誠意をこめたもてなしのおかげかもしれないと考える。親切は伝染するものだ。だが、「海獣の類が襲ってくるかも」と付け足すあたり、やはりアレクシスは素直じゃない、とカナンは唇に苦笑を含ませた。] ナミュールではどんなゲームをするんだ? やってみようじゃないか。 で、おれが勝ったら──[ふっふー、と笑って賭けに乗る気があるかと問うようにアレクシスに視線を流した。]