― 書斎 ― おや[離れようとか、踏み出した足へ重心を移す男へと揺らめく笑みを湛えた] 好きに手にとっても構わぬだろう これらすべて白絽候の蔵書だが、彼の方は閲覧者を厭うまい[述べながら紅も踏み込んだ。前方は背高の書架、行き場は直ぐに失われる。緊張に固くなる感触を愉しむように身を寄せ、片腕を背中越し、滑らかに伸ばして棚の一つへ指先を掛けた] 抜け道は見つけたようだが…他にも助けになるものがあるやもな?タクマ