[野茨公の腕>>277に包まれ、ふっと柔らかな笑みが浮かぶ。淋しさを忘れさせるかのような抱擁に目を伏せるが響いた丁寧なノックと名乗り>>266に公弟たるヴィンセントの訪れを知る。解かれる腕に名残惜しさを覚え表情に滲ませたのは一瞬。す、と、一歩下がり野茨公との距離を取る。] 失礼します。[主にことわりをいれて扉に向かい、開いた。] お待たせしました。 どうかしましたか、ヴィンセント様。[主を敬うようにその弟である彼にも敬う呼び掛けをし頭を垂れて迎えた。]