そりゃあな、人間らしい心の動きですよ。 信頼した相手、親しい友、慕う先輩や可愛い後輩を、信じたいというのは。 ……それが許されるというなら。 それで戦が終わるならば、俺だってそうしたいさ。 ………だが、違うでしょう?[シュヴァルベの地で見送った幾人もの知己を思う。けれど、大多数の命を背負えば安易な判断は許されない立場でもある。自分たちは国の駒の一つに過ぎず、今立っているこの地は戦場なのだ。まだ、「情」で情勢が動く段ではない。それでは血は流され続けるばかりだ。]