[自分のエゴを無理矢理押し通して、リーザを迎えに行っても良い。この村の為を考え、僅かな贖罪代わりになるのならリデルでも良い。この先、例えばもしカタリナが死ぬ様な事になれば迷わずとも良い。それこそ、弟分の様に思っているヨアヒムも、まず自分よりは良い。虚弱の止んだ身体。人狼の様な異形の訪れに際して動いた力。今でこそ、この力を使う様な大切な時だと云う様な、収まらぬ銀嵐に叫ばれている様で。そうだ、いっそ、速くこの力を振るってしまえば良い。そうすれば――随分と楽な心で逝けるのにと思うのに]