[そうして、投げかけられたその“問い”に――…>>266
ああ、やっぱり知っていたのかと、此方の表情も歪む。
困ったように、戸惑うように。]
何のための薬、なあ……
んん、親父が医者だったから、
言われる分飲んでて、多分、
――ちょっとでも“時間”を伸ばすための、
薬なんだろうね。
この航海の間は、たぶん、大丈夫。
その先のことは、分からない。
[分からないけれど、きっともう、
秒読みが始まっているのかもしれないなあって、そうも、思う。
この体の中にあるものたちが、機能不全を起こしてゆくのだとか。]