この鏃たち、お守りだったのね。
貰った日から、肌身離さず身に着けているわ。
わたしだけが助かったのは、
ロウのくれた、このお守りのおかげね…きっと。
[一度殺したわたしを2度目に殺そうとした時、
全身が獣と化した兄の首からは、
彼の鏃のペンダントが、千切れてしまっていたから。
心臓の上の2つの鏃のペンダントに、
服の上からなぞるように指先で触れて、
守ってくれるように願っている、という言葉に>>247に、
笑顔の裏の彼の内心の透明な呟きは知り得ぬまま、
ありがとう、と頷いた。
何かしてくれなくとも、
そう願ってくれているだけで、嬉しかったから。]