ええと……何を勘違いされているかわかりませんが、
俺は普通の警備員ですよ。
とりあえず、何が何だか…。
大丈夫だから、顔を上げてください。
貴女の名前は?
どういうことか、説明をお願いできますか?
[地べたに座り震えながら頭を下げる仕草や、
どこかもの慣れない、怯え頼りなげな気配は。
たしかに、自分の知る故郷の奴隷たちを思わせたけれど…。
まさか、
母親が無理やり送り込んだのかもしれないとは、知る由もなく。
彼女の傍に片膝をついて、少しでも怯えをやわらげようと微笑む。
触れ得るなら、大丈夫というように、そっと震える肩を撫でよう。*]