[彼の顔を見上げたまま、じっとその言葉を聞く。あぁ、やはり――……誰も、救いなど与えてはくれないのだ。そう思えば、罪を抱いて生きてきた少年の心に、絶望が宿る。やがて――……。ジムゾンが聞き取れないであろうほどの声で、小さく呟く。] ………………そっか。 神父様も、やっぱりただの“大人”なんだ。[低く呟いた声は、先ほどまで取り乱していた少年とは異質なもの。その言葉を聞き取ろうとジムゾンが身を屈めたならば、幼い口元がゆっくりと弧を描いた。]