― 騎士団天幕 ―
[天幕には親衛隊の面々>>268がまだ残っているだろうか。
天幕の布の端がこそこそっと揺れて、這い蹲って何かが入る。
魔術の心得さえあれば、そこに見えない“なにか”がある事だけは良くわかっただろうが、
心得なきものには、強い風で天幕が揺らめいた、くらいにしか思われまい。]
――――…。
(クソ真面目な恰好してるけど、ソマリだよなぁ…?)
[なんだか同じく夜中に荒くれ者やってた友達がいつの間にか仕事についていたみたいな良くわからない寂寥感がちょっとだけ湧いた。
然し、本題はそこではない。
ずっと持っていたらしい紙をぐしゃっと握りつぶして、ソマリの頭めがけて投げつけてから、急いで天幕を出る。
そろそろ、一旦休憩しなければ持たない。]