[ 胸奥の違和感には気が付かないふりをして、
ほんのりと赤くなる顔>>279に微笑んで ]
…かまいませんよ。
大勢で押しかけて怒る人でもなさそうだし。
[ 記憶にある面影を掘り起こしながらそう答える。
どちらにせよ、長話を墓前でするつもりはない。
それに――同業者に近しい人間がついてきたとして
いやな顔をする人ではないだろうとも思った。
そうして、少しだけ時間が欲しいと伝えてから
花売りの少女に声をかけようか。
問いを投げかけるのはその片手間に。
確認するように聞き返されたら無言で首肯する。 ]