― 南岸・修道院跡付近 ―[話が途切れた直後、吹き付けてきたのは烈気>>289飛びかかられる半瞬前に、危うく躱して自ら飛び降りた。指が掛かった胸元の布地が悲鳴を上げて裂ける。短い間に2度も乗り手に飛び降りられた馬は、困ったような風情で走るのを止め、落ちた二人の近くに佇んだ。] 試金石になるとでも言うつもりか?[受け身を取って転がり、跳ねるように立ち上がって身構える。草の葉で切った頬を拭えば、血が赤く筋を引いた。]