アルビンさんも、飢餓状態ですか。
……それでも人の形は保っていられるなら
私と同じか、もう少し余裕があるのでしょう。
[そう言うと、革袋を取り出しアルビンの手に握らせた]
その中の小瓶は薔薇のエッセンスが入っています。
一回の吸血と同じ程度の飢えを回復してくれます。
私は薔薇の匂いが得意ではないので。
……なので、私が血をもらうのと同時にそれを飲めば、今と同じ体力は保てる筈です。
[そう告げてから、なるべく痛みを与えないように、アルビンの肩にゆっくり、ぷつりと牙を刺そうと顔を近づけた。]