― 帝都より最前線へ赴く道 ―
[窓より顔を出す。
白馬に乗る嘗ての御近所さんは、今では笑いを巻き起こしていた口は尤もなことをいい、髪を結える器用な手は、銃にすっかりなれてしまった]
そうだな。
確かに漁業に於いてはあちらが長じている。
どの道、餓える前に決着をつけたいものだ。
[民の不安は今は、公国憎しと外圧に向かっているが。
これが内圧に向かった時――手薄となった都はどうなってしまうのだろうか]
[やがて、旅路が進めば、焼け野原がちらほらと見える。
ここで公国軍を止めなければ、自分たちの生まれ故郷もああなってしまうのだと――首都では抜けて見えた、軍服を着なれていない面々も、表情が変化した]