[ 寮に入る前に父さんと来た、別れの泉。すべてはここから始まった。泉の向こうには暗いシュヴァルベの平野が広がっている。そっと、手にしていたランプでかざせば、泉のほとりに、門が現れる。 ]――それじゃあ行こうか、ユーリエ。[ こくりと彼女が頷けば、門の入り口に歩みを入れて。二人の身体はやがてキラキラと光る粒子になり、空気に溶けていった。いつか遠い未来に、またこの地でともに生まれ変わるために。 ]