わたしも……ソールを殺したのは、わたしよ。
[わたしのことすら、分からなくなってしまったなら、
もう助けられる術など、ないのだと悟ったから。]
ずっと、守りたいと願っていたのに…
もう、死によってしか守れなかった。
ソールの心を守るためには、彼を殺すしかなかったの。
だから、私のこの手で彼を殺したいと願った。
[彼がこれ以上、苦しまないように。
誰かを殺さないですむように。
他の誰かに、殺されないために。
愛していたからこそ、“わたし”のこの手で殺したの…。
そう、呟けば。
今もなお、けして色褪せない悪夢のように、
心臓を鋭い爪先で抉られる様な、罪悪と喪失の痛みが押し寄せる。
真っ赤な血に濡れたままの両手>>2:307の指先が、
微かに震えるのをぎゅっと握りしめて堪えた。]