["あなたが人狼だったんですね"
その言葉には茹だる頭であろうと、嗤う。]
『――…御伽噺の中の存在じゃあなかったってワケだ。』
[何時か、人狼を実在しない化物>>1:175だと、シスターがそう言ってから然程時間は経っていない。
彼女の過去…なんて知るはずもないから、ちらりちらりと顔を見遣るのは反応を気にしてのことで。
続く言葉へは、返事を返さない。
ただ、抑えた嘲笑を喉の奥から漏らすのみ。]
『…、逃げようとしたところで、それを俺が許すとでも?』
[くつくつと鳴らす喉は、声の漏れる口は、少しずつ人の形を失い始めていたけれど、男がそれに気づくことは無かった。]
『殺してやることは、出来るけど、なあ?』
[一歩、近付けば問う。]
『――…アンタは、何処から喰って欲しい?』