[戦闘開始を告げる遠い砲声は長閑な時報のようですらあったけれど、空気を切り裂き鳴かせながら急降下する主砲弾には貫き破壊する意志が籠められていた。>>288] 当てさせるな! 蛇行にて照準をズラせ。 射撃はまだ待機。[完全な修理が間に合わず、半分の広さに切り落とされた艦橋からアレクトールは指示を出す。旗艦の上を飛び越えた砲弾が海面に突き刺さって高い水柱をたてた。確実に、射程内だ。]