― 聖神神殿・儀式の間 ―
[それからまた幾日かが過ぎ。
異界から呼び寄せられた勇者達が元居た世界に戻る日。
定刻よりも前に姿を見せ始めた彼らが
めいめいに別れを惜しむのを静かに見守り、
時折端に紛れては一人ひとりに声をかける。]
……本当に、ありがとう。
平和を齎してくれたことは勿論だけど、
君たちの勇気に、明るさに、前向きな輝きに、
俺は一度ならず助けられた気がしている。
神殿だって、いつになく賑やかだったしね。
[彼らへの感謝も親愛も、
とてもほんの二言三言で言い表せるものではないけれど]