― 巡洋艦ナハティガル/医務室 ―
[ぐるぐると回る感情を押さえつけていた所に向けられた問い。>>286
閉じていた若葉色をそ、と開いて数度、瞬いた]
どんな、って……。
[子供の頃。
あかい色の向こうから見えた記憶。
何故それが問われているのかはわからない、けれど]
……しっぽの事、とか。
院に遊びに来る、猫の事、とか。
あと……空の、事……とか。
虹の向こう側……何があるんだろ、って。
[見えるまま、口にしていけば、その時の温かさも蘇って。
その感触に、また、若葉色が揺れた。//]