― 戦場 ―
[軍議がどのようなものであったか。述べるべき意見があれば述べることもしただろう。だが劣勢であれ優勢であれ、傭兵のやることは変わらない。
円盾にパルチザン。フォルカタ。額宛と具足といういつもの武装を整えて、外人部隊は危険な場所で戦うのだ。
だから此度もあちらにいたころと同じように傭兵たちを纏めて向かう]
今だ!押し返すぞ!バッシュ!
[怒号ギリギリまで敵を引きつけ、そしてその最後の一瞬に今まで待った時間をぶつける様に、前衛に出ていた兵たちとともに、その盾を敵兵の正面へと叩きつけていく。
盾とは言ってしまえば鉄の壁である。その壁が人の瞬発力によって前へと押し出され、それに当たればどうなるか。強烈な金属音とともに骨を折る嫌な音。直撃したものは絶命したものもいるかもしれない。
ただその攻撃も全隊から見ればただ出鼻をくじく程度にしかならない。ならば次にすべきはその僅かな隙をどれだけ広げられるかだ。]