指輪なんてまたいつでも…いくらでも……買ってやるから。だから……[ 俺の目の前から居なくならないでくれ――言葉は声にならず、嗚咽に変わりそうになる。ぐっと堪えて、大丈夫だよと言いたげに笑いかけた。商店で買ったばかりの髪飾りを取りだして、流れる銀の髪にそっと飾った。小さな右手は震えながら、嬉しそうに髪飾りを確認する ]…ありがとう…これなら失くさない…あぁ…、思った通りだ。似合ってるよ。毎日……それをつけて……俺の帰りを待っててくれたら……それだけでいいな。