今日は――
えっ、なに? そんなに他の種族を島に入れていいのかって?
[温泉を湧かせた人物の正体に、今更ながら島の長老連中が恐れ戦いていた。
龍族とは直接事を構えたことはないが、古く権威ある種族と咎人である鬼族は、互いに関わりを持たぬようにしてきたからだ。
『柱』という立場を彼らは信用しているが、かつての神子と『柱』が鬼族を今の地位に追いやったことも、また事実である]
そうだねぇ。
――『柱』になってからさ。アタシもアタシなりに、この島の歴史について調べてみたんだよ。
島の中に居るだけじゃわからないことも、当然あるからさ。
[周りの人々の顔を見まわして、娘は続ける。
そうした話しぶりもまた、『柱』になった後に身に付けたものだ]