……ばっかじゃないの。
[軋む胸を無視して、震える声でそう言った。
情けない、あれだけ訓練を受けていながら、まだ声が震えるなんて。
――慕っていた貴方に、生贄にされるのならば。
――私は、受け入れたわ。
誰が何と言おうと、名誉だなんて思わない。>>1:134
"恋天使"なんてくそくらえ!だ。
でも、それでも、"マーティン"が望むのであれば……。
自分は、最後には首を縦に振ったはず。
そんな、馬鹿げた思いは封じ込め、嘘で覆い隠す。
震えるな声、笑え、笑え。
何でもないみたいに、いつものように。
最後の嘘さえも、突き通せないなんて情けなさすぎるでしょう。]