[それでも駆ける足は止めず着実に距離を詰めながら、男は投げかけられた問いに声を返した]
私の望みは2年前から変わらないよ。
魔人の再封印、もしくは消滅。
それが封の術者の末裔である私の役目であり、
鍵となった者の責務だ。
だが私一人でそれを成すことは出来ない。
この国の祖の血を引く彼だからこそ、成し遂げられる。
古の伝承のように。
[紡がれる声は静かだ。
変わらぬ想いが男を突き動かし、自らを磨き、王子を支える。
支えたい想いの意味は今は少し変わったが、為すべきことは変わらない]