[堕天使の掌が蠢く暗黒を生成したところまではわからずとも、槍が光を失ったのは見えている。それは、この先を暗示しているようで不吉だった。紡がれた約定の言葉と、接吻けの仕草。加護の指輪をはめた左手の小指が、わずかに反応する。 ── その指輪の作り手もまた、悪魔の奸計に晒されていることは知るよしもなく。>>265これは、ある種の封印だったのだと、今ではわかる。内勤ばかり与えられてきた理由もまた。]