[>>275>>276盾の合間。見えたのは、金褐色。]
……尖兵は、貴様か。
[名など知らない。だが、白の騎兵共々兵を屠るその腕前だけは、識っていた。
――――……だが。それすらも、今この場の対峙に置いては、些細な事に過ぎなくて。]
殿(しんがり)役か。
格好を付けるのは構わんが……
[大盾に槍。間合いは長く、堅く。本来此方が盾に使う短剣は、既に投降した後で。
ならば。どうやらこの場を離れるらしい白の騎兵達と此方とがある程度距離の開いた一瞬が、勝負所。
周囲の兵は互いに乱戦の様相。
……一瞬、視線は空へと向けて。]